【148杯目】原点回帰。普通の茶碗蒸し

突然嫁が、「ふつうの茶碗蒸しが食べたーい!」と、プライベートも犠牲にする超売れっ子アイドルのように悲痛な叫びをあげた。確かに最近は「キングダム茶碗蒸し」とか「かんぴょう巻き茶碗蒸し」など、キワモノばかりを作る傾向にあるかもしれない。要するにネタ切れなのだが、そこは気づかなかったことにする。

しかたないので、久々に極めてシンプルな茶碗蒸しを作成。具はかまぼこ、しいたけ、筍、エビ。そして、ぎんなん、なのだが…。今の時期、まともなぎんなんは手に入らないので、水煮を使うしかない。

ところで、お店で茶碗蒸しを頼むと、たまにぎんなんが入っていないことがある。お店の入れ忘れなのか、そもそも入れる想定がないのか、あるいは、俺が食べたことに気づかなかっただけなのか。食べ終わった今となっては、真実は闇の中だ。なんなら「一瞬のうちに宇宙の彼方に葬られた」という説もあり、この現象を専門家の間では「ぎんなんの量子もつれ」と呼んでいる。

今回の茶碗蒸しも、嫁は食べ終わるまで、ぎんなんが入っていることに気づかなかった。3粒もいれたのに。ちょっと具を入れすぎたことも原因だが、水煮特有の、悪い意味でアクが抜けきった素材が、より捜査を混乱させたようだ。やはり旬モノには、風味も食感も及ばない。

それはそうと、今回もいつものように茶碗蒸しを作って、写真を撮っていたところ…。あれ?

ど、丼が割れているーーーーーーーっ????

よく見ると、丼の内側側面に、割れたというよりは、うすく剥離したような、大きなキズができていた。これは、ぎんなんどころじゃない。由々しき問題。一瞬買い替えもやむなしと思ったが、この状況を打開する方法が、ひとつだけある。「金継ぎ」だ。

金継ぎとは、割れた陶器を修繕する、ほぼ唯一の方法。もとの見た目に戻るわけではないが、モノによってはむしろ芸術性が増すとも言われている。もしかしたら、この丼も治せるかもしれない。しかし、極めて高度な匠の技を要するとも聞く。はたして丼は治るのか。本ブログ始まって以来の危機を、乗り越えるられるのか。その工程に待つ数々の困難を、このときはまだ知る由もない。実際、まだなにもやってないし

2019-04-19 | Posted in 茶碗蒸しNo Comments » 
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