【51杯目】ブロッコリーの茶碗蒸し
ブロッコリーといえば、ずいぶん昔、自宅方面に知り合いが来る機会があったので食事に誘ったのだが、これがちょっとした珍事件になったことがある。相手方には幼少のお子様がいたのだが、どういうわけか、相手方の奥様が「子どもに食べさせるメニューがない」とご機嫌ナナメになってしまった。もちろん、お子様がいたことは存じていたのでチョイスしたお店はオーガニック系、その日のメニューもごま豆腐や雑穀米など健康的、悪くはない取り揃えだったと思うが。さんざんメニューにダメ出しした挙句、最終的にはとうとう「茹でたブロッコリーはありますか?」と、メニューにない料理を頼みだす始末。これには困った。お子様を大事に想う気持ちはわかるが、店をチョイスした立場としては悲しいし、なにより店に申し訳なく、いたたまれない思いをした。まあ、今となってはちょっとした笑い話。この事件を期に、我が家では「秋なすは嫁に食わすな。ブロッコリーを山盛り食わせろ」という格言が生まれている(嘘)。
ちなみに、水をダイナミックにこぼされようが、サラダに青虫がのっかってようが、ハンバーグに店長のカツラが混入していようが、全く気にしない俺だが、そういえば珍しく店員に文句を言ったことが一度だけある。それは某焼き立てパンを売りにしているレストランだったが、とりわけ用の平皿がことごとく濡れていたのだ。店側の最大のウリを自らだいなしにしている。そこに無頓着なことがどうしても我慢ならず、店員を捕まえて文句を言った。ところが「こちらのパンも焼きたてですよ♡」とさらっとやり過ごされ、以降はなにも言えず、勧められたパンをしっかりといただいて帰ったので、たんに小心者というだけのことかもしれない。
自分で飯をつくるからこそ思う、食事を提供してくれる相手には、最大の敬意を払い、感謝したい。もちろん、同席する相手にも、牛にも豚にも、それを殺す役目の人にも、茶碗蒸しのブロッコリーにも、である。
あと、ブロッコリーを見ると、どうしても「ラピュタ」を思い出してしまうのだが、この際それはどうでもいいと思うバルス。
レシピ
材料(1人前)
- 卵 2こ
- 水 100cc
- 白だし 小さじ1
- ブロッコリー 適量
作り方
- ブロッコリーはひと房をのこし、フードプロセッサーにかける。
- 卵と水、すりおろしたブロッコリー、白だしをよくまぜ、器に入れる。
- 蒸し器にかけて、弱火で15分程蒸す。
- 表面が固くなる直前で、残しておいたブロッコリーをのせ(埋め)、ひと蒸しすれば完成。