【68杯目】レンコン茶碗蒸し
「噂の東京マガジン」という番組の「平成の常識、やって!TRY」というコーナーが嫌いだ。若い素人女性に、知っていなければ恥ずかしい献立のお題を出して、正しく作れるかどうかチャレンジする、という主旨だが、実のところ、ことごとく失敗する様を見た主婦が「最近の若者はやっぱりだめねえ…」と、自分より経験や知識の乏しい人間を蔑んで、優越感を得るだけのバラエティだ。しかも最近は、取り上げられる献立が、誰でも知ってる家庭料理の枠を外れている。ごく最近のラインナップを見ても「回鍋肉」や「冷やし中華」「麻婆豆腐」とあるが、こんなのは日常料理を作ってる人間でも、市販のインスタント調味料を使わずに作るのはとてもむずかしいはず。番組の長期化によりコンセプトすら破綻している状態で、見苦しいと言うほかない。
一方で、このコーナーは料理の可能性に満ちあふれているから面白い。普段料理をしない若者が、料理名と目の前の食材を頼りに、インスピレーションだけで料理を作るわけだ。もちろん、基本を知らないから結果的には失敗が多いのだが、アイデアそのものは料理をする人間の常識を大きく越えてくる。だいたい料理なんて、レシピどおりに作ればたいていのものは作れる。それでも高確率で失敗したら、晴れて「料理オンチ」の烙印を押せばいいが、作ったこともない、レシピも知らない状態で、果敢に料理に挑んだ「TRY娘」達には「今まで存在しなかったメニュー」を、次々と作り出した実績がある。これは少なくとも、レシピ情報に囲まれたお茶の間で彼女たちを笑っている視聴者よりは、遥かに料理の世界に貢献している可能性が高い。
そんな気持ちで番組を見ていたが、最近の放送で取り上げられた「レンコンのはさみ揚げ」でもまた、珍妙なレシピが飛び出した。肉でレンコンをはさんだり、油揚げで挟んだり…。あまりにイイアイデアだったので、思わず作ってしまった。トライ娘のレンコンはさみ揚げ2種。若干のアレンジはしてるが、基本構想は彼女たちのもので間違いない。
「平成の常識、やって!TRY」の正解レシピ本があるらしいけど、いっそトライ娘の発案だけでレシピ本を作ったら、結構売れるんじゃないかと思った。
レシピ
材料
■茶碗蒸し(1人前)
- 卵 1こ
- 水 100cc
- 白だし 小さじ1
- レンコン 50g
■レンコンのはさみ揚げ(各1こ)
- レンコン スライス
- ひき肉(豚or鶏胸)
- お好み具材(ねぎ、しいたけ、しょうがなど)
- 塩
- 胡椒
- 小麦粉
- 卵
- パン粉
- 油揚げ
作り方
■茶碗蒸し
- レンコンは皮を剥いて、2枚ほど薄くスライスする。
- スライスしたレンコンは素揚げにする。
- 残りのレンコンをミキサーにかける。
- 卵、水、白だし、レンコンをよくまぜる。
- 蒸し器にかけて、弱火で15分程蒸す。
- 蒸しあがりに、スライスレンコンをのせる。
■れんこんのはさみ揚げ
- ひき肉とお好み具材をまぜ、塩コショウして練る。
- レンコンに軽く小麦粉をふって、両面にひき肉タネを盛る。
- ひとつは小麦粉、卵、パン粉でフライにする。
- もうひとつは、油揚げに入れる。
- それぞれ、低めの温度のオリーブオイルで揚げる。
今日の弁当 - オヤコドンペリ | 2016.09.29 16:20
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