のり巻きの「ポジション」が気になってしょうがない

豪華なマグロや海老にしれっと肩を並べてるけど、具は「きゅうり」とか「かんぴょう」とか。将棋でいえば「歩」。なくて全然かまわないんだけど、ないならないで「畜生あいつどこ行きやがった」と文句を言われてしまう、寿司史上もっとも不遇な存在「のり巻き」。

豪華な太巻きには、あまり魅力を感じない。残念なイメージあってこその「のり巻き」だ。その具といったら、きゅうりやかんぴょう以外に思いつくのは、せいぜい「たくあん」「なっとう」「ねぎとろ」くらい。にぎり寿司の多様性と比べると、一見保守的にみえるのり巻きも、逆に考えれば可能性に満ちている。なにか変わったネタを巻いて、最高にウマい斬新のり巻きを作れないだろうか?

そんなわけで、最近やたらとのり巻きにハマる。節分でもないのに。巻くのはもちろん「細巻き」。また、
・斬新ながら、そのへんで安く手に入る食材
・だれでも簡単につくれる
・ちゃんと食える
といった目標を、ある程度設定する

 

一文字のぐるぐるのり巻き

ネギをゆでて巻いただけ」という、珍妙な名物が熊本にある。からし蓮根にくらべると独創性に乏しく残念ポイントが高い。しかも、のり巻きにするにあたっては「ぐるぐる」しないでそのまま使う。唯一のアイデンティティを根こそぎ崩壊させる暴挙も、別の意味でぐるぐるしてるからオッケー!と、都合よく解釈。巻くのは失敗したが、酢味噌は酢飯とも相性がいい。ネギはネギ

 

細巻きは、なにげに巻くのが難しい。Youtube動画などを参考に、自ら編み出したコツは…、
・思ってる量の7割くらいに酢飯を減らす
・フチっこまで酢飯を盛らない
・巻くときは、巻きスとのりの端っこを揃える
・巻ききらない状態でしっかりギュってして、完全に巻いたらもうギュッってしない

だ。とくに、巻きスとのりを揃えるポイントは、独学ではなかなか気づかないところ。サンキューユーチューバー。

 

ごぼうのり巻き

鶏ごぼう巻きからヒントを得る。巻く対象に「丸太」プロポーションは都合がいい。甘辛く煮染めたごぼうは飯にあうし見た目も悪くないが、期待してたほどの化学反応はない

 

鰻の尻尾のり巻き

趣旨と全然違うじゃねえかという説もあるが、見た目や食感の悪い尻尾だけを使用。別にそのまま食ってもいいが、あえてアレンジ加工することで、「俺スゲー」的な自己満足が得られる一品。旨いと分かっているものをただ巻いただけのくせに

 

稲荷揚げのり巻き

本来は「包む側」であるはずの稲荷揚げを具にしてしまう。斬新な切り口のわりに、見た目のそれはパッとしないので、ゴマでごまかす。味はほぼ「かんぴょう巻き」。企画倒れに終わると思いきや、逆に「かんぴょうの変わりに稲荷揚げが使える説」を提唱できた点でメリットありとする。

 

カリフォルニアロール

もはや趣旨と全然関係ない。細くもないし。単に作ってみたかっただけ。やってみると、のり巻き以上に難しい。まず、とびっこをラップの上に均等にばらまくのだが、想像以上の作業ゲー。作っている最中は全く完成形が見えない点は、寿司というよりスイーツの感覚に近い。それなりに美味くはあるが、やはりのり巻きはのりで巻いてこそののり巻きだ。なんのこっちゃ。

他にも「チータラのり巻き」「チーカマのり巻き」「じゃこ炒めのり巻き」「オクラのり巻き」「エビ天のり巻き」など、いろいろ試したが、だいたい味の想像はつくよね、ということで共通している。新しい味の創造というのは、思っているより簡単ではない。

そう考えると、ただきゅうりを巻いただけなのに、寿司のアイコンとしてそれなりの地位を確立した「かっぱ巻き」は、実はすげえ革命だったんじゃないか?と思えてくる。まあ、いずれにしても残念であることにかわりはないのだけれど

2019-08-13 | Posted in 茶碗蒸しじゃないNo Comments » 
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