【146杯目】よだれ鶏茶碗蒸し

「にごり酒」「ごまよごし」「ぬれせんべい」など、料理そのものに不備はないのに、名前で評価を下げている食べ物というのがある。中でも軍を抜いて残念なのが「よだれ鶏」。湯で鶏にスパイシーなタレをかけた四川料理で、クック◯ゥにもラインナップされる人気メニュー。

「よだれが出るほど旨い」というのは、酒盗とも似たネーミング由来だが、口腔内分泌物を名前に採用するのは度胸がありすぎ。自ら背覆ったハンディキャップは「金銀飛車角落ち」レベル。5馬身ほど出遅れてもなお旨さがまさる、という自信の現れか。花椒の効いた甘酢っぱダレで、ご飯が無限に食えるから困る。

ヘンな名前の料理で思い出したのが「乞食鶏」。なんと鶏をまるごと泥で包み、蒸し焼きにするという代物。調理法にもお聞きしたい部分は多々あるが、名前に「乞食」とつくのがとにかくすさまじい。偶然鶏を手に入れた乞食が、調理器具のかわりに泥で包んで焚き火をした、というのが由来らしいが、焚き火ができるんなら別に普通に焼いて食えばいいんじゃね?というツッコミは、野暮というものか。

2019-04-05 | Posted in 茶碗蒸しNo Comments » 
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